ちゃいろっぽいまち
初出:「読売新聞」1925(大正14)年10月26日号
書き出し
小石川——目白台へ住むようになってから、自然近いので山伏町、神楽坂などへ夜散歩に出かけることが多くなった。元、椿山荘のあった前の通りをずっと、講釈場裏の坂へおり、江戸川橋を彼方に渡って山伏町の通りに出る。そして近頃、その通りのつき当りに、何という医者だったか屋根の上へ、大万燈のように仰山な電飾(イルミネーション)広告をつけたのを遙か中空に見上げながら、だらだら坂をのぼって左、神楽坂へ行く。時には、…
半七捕物帳
追憶
雪霊記事
金木犀の栞さんの感想
当時の文体で語られる当時の光景と、描写から伝わる当時の価値観が興味深かったです。土埃と喧騒が伝わるようなエッセイでした。