青空文庫

「静かな日曜」の感想

静かな日曜

しずかなにちよう

初出:「読売新聞」1924(大正13)年1月24、25日号

作家の日常自己認識静謐内省的軽妙

書き出し

十三日。おかしな夢を見た。ひどくごちゃごちゃ混雑した人ごみの狭い通りを歩いていると右側に一軒魚屋の店が出ていた。男が一人鉢巻をし、体をゆすって、俎の上に切りみを作っている。立って見ていると表面の黒いかたまりにさっと庖丁を渡*、二つにひろげてぽんと、何と云うかどっさり魚を並べてある斜かいの台の上に放り出した。「何の肉です?」誰かがはっきり訊いた。見えない人の声が、威めしい声で、「烏の肉だ」と云う。私

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