青空文庫

「偶感一語」の感想

偶感一語

ぐうかんいちご

初出:「女性日本人」1921(大正10)年4月号

内省死の受容自己認識内省的厳粛憂鬱

書き出し

最近、昆虫学の泰斗として名声のあった某理学博士が、突然に逝去された報道は、自分に、暫くは呆然とする程の驚きと共に、深い深い二三の反省ともいうべきものを与えました。故博士に就て、自分は何も個人的に知ってはおりません。ただ、余程以前、何かの講演会の席上で、つい目の前に、博士の精力的な、快活な丸い風貌に接した以外は、文学を通してだけの知己でありました。私の周囲にそのくらいの深度の記憶を持った人々は多くあ

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