青空文庫

「神鷺之巻」の感想

神鷺之巻

しんろのまき

鏡花79
怪奇歴史的背景民俗学厳粛幽玄

書き出し

一白鷺明神の祠へ——一緑の森をその峰に仰いで、小県銑吉がいざ詣でようとすると、案内に立ちそうな村の爺さんが少なからず難色を顕わした。この爺さんは、「——おらが口で、更めていうではねえがなす、内の媼は、へい一通りならねえ巫女でがすで。」……若い時は、渡り仲間の、のらもので、猟夫を片手間に、小賭博なども遣るらしいが、そんな事より、古女房が巫女というので、聞くものに一種の威力があったのはいうまでもない。

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