青空文庫

「凱旋祭」の感想

凱旋祭

がいせんまつり

初出:「新小説」第二年第六巻、1897(明治30)年5月

鏡花16
怪奇歴史的背景異国情緒厳粛叙情的幽玄

書き出し

一紫の幕、紅の旗、空の色の青く晴れたる、草木の色の緑なる、唯うつくしきものの弥が上に重なり合ひ、打混じて、譬へば大なる幻燈の花輪車の輪を造りて、烈しく舞出で、舞込むが見え候のみ。何をか緒として順序よく申上げ候べき。全市街はその日朝まだきより、七色を以て彩られ候と申すより他はこれなく候。紀元千八百九十五年—月—日の凱旋祭は、小生が覚えたる観世物の中に最も偉なるものに候ひき。知事の君をはじめとして、県

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