青空文庫

「侘助椿」の感想

侘助椿

わびすけつばき

下宿生活内省文壇交友病中苦悩叙情的孤絶静謐

書き出し

一私は今夕暮近い一室のなかにひとり坐ってゐる。灰色の薄くらがりは、黒猫のやうに忍び脚でこつそりと室の片隅から片隅へと這ひ寄つてゐる。その陰影が壁に添うて揺曳くする床の間の柱に、煤ばんだ花籠がかかつてゐて、厚ぼつたい黒緑の葉のなかから、杯形の白い小ぶりな花が二つ三つ、微かな溜息をついてゐる。侘助。侘助椿だ。—友人西川一草亭氏が、私が長い間身体の加減が悪く、この二、三年門外へは一歩も踏み出したことのな

2020/12/04

19双之川喜41さんの感想

 「薄暗がりは 黒猫のように 部屋の片隅へ 這い寄っている」 外へ一歩も 踏み出せない  重い病の泣菫(きゅうきん)は  侘助(わびすけ)の花に  大きな慰めを得た。 感性の鋭さに 心打たれると感じた。

2019/02/21

8e46b5bc1c6aさんの感想

自然の使者………美しい表現。椿を観たいですね。ひっそりと。

2018/09/23

大宇宙の少年さんの感想

茶とは大きな世間からは切り離された小さな空間で、その雰囲気を味わうものなのだと知り、静寂と侘心とは忙しい現代社会にはない感覚だと思いました。 昔の人も煩わしい大変な中に生きていたから茶というものができたのかなと、ふと思いました

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