青空文庫

「のろのろ砲弾の驚異」の感想

のろのろ砲弾の驚異

のろのろほうだんのきょうい

――金博士シリーズ・1――

――きんはかせシリーズ・いち――

初出:「新青年」1941(昭和16)年4月

海野十三27
SF的想像力奇人描写異国情緒緊迫軽妙

書き出し

1今私は、一人の客人を伴って、この上海で有名な風変りな学者、金博士の許へ、案内していくところである。博士の住居が、どこにあるか、知っている人は、ほんの僅かである。人はよく、博士が南京路の雑鬧の中を、擦れ切った紫紺色の繍子の服に身体を包み、ひどい猫脊を一層丸くして歩いているのを見かけるが、博士の住居を知っている者は、殆んどない。金博士の住居は、南京路でも一等値段がやすく、そして一等繁昌している馬環と

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