青空文庫

「見えざる敵」の感想

見えざる敵

みえざるてき

海野十三22
SF的想像力奇人描写怪奇幽玄緊迫

書き出し

上海四馬路の夜霧は濃い。黄いろい街灯の下をゴソゴソ匍うように歩いている二人連の人影があった。「——うむ、首領この家ですぜ。丁度七つ目の地下窓にあたりまさあ」と、斜めに深い頬傷のあるガッチリした男が、首領の袖をひっぱった。「よし。じゃ入れ、ぬかるなよワーニャ」と、首領と呼ばれた眼玉が魚のように大きい男は、懐中からマスクを出して、目にかけた。合図の数だけ入口を叩くと、重い木製の扉が静かに内に開いた。前

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