青空文庫

「「モダン猿蟹合戦」」の感想

「モダン猿蟹合戦」

「モダンさるかにがっせん」

初出:「働く婦人」1932(昭和7)年1月創刊号

文学不信歴史的人物の描写歴史的背景社会疎外分析的鬱屈

書き出し

二日ばかり前のことです。用事があって下町へ出かけ、日本橋白木屋の前を通りがかった。いつも人出の多いところだが、今日は又一段と雑踏だ。白木屋の飾窓のまわりが大変な混雑なのです。何かと思って見ると、いくつも並んだ大きいデパートの窓々に飾られているのは、例によって呉服物の見本をきた人形ではない。——人形は人形だが、こしらえものの雪の中に立って防寒具をつけた兵士人形です。人がウンとたかっているのはそれを見

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