青空文庫

「窪川稲子のこと」の感想

窪川稲子のこと

くぼかわいねこのこと

初出:「文芸首都」1935(昭和10)年3月号

作家の日常女性の内面文壇交友歴史的背景厳粛叙情的回顧的

書き出し

窪川稲子に私がはじめて会ったのは、多分私がもとの日本プロレタリア作家同盟にはいった一九三〇年の押しつまってからのことであったと思う。私はその頃本郷の下宿にいて、そこで会ったように思う。最初の印象は、今日もう思い出せなくなってしまっている。そのときも彼女らしく、どこといって変に目立つようなところを外見にもっていなかったのであったろう。次の年の寒い時分、大阪に『戦旗』の講演会があって徳永直、武田麟太郎

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