青空文庫

「今日の読者の性格」の感想

今日の読者の性格

こんにちのどくしゃのせいかく

初出:「都新聞」1940(昭和15)年5月19~22日号

作家の日常文学不信歴史的背景金銭と人間関係分析的憂鬱懐古

書き出し

一今から二十何年か前、第一次ヨーロッパ大戦が終る前後の日本では、足袋に黄金のこはぜをつけた人もあるというような話があった。そして、ジャーナリズムもこの時代に一つの経済的な飛躍をとげ、菊池寛、久米正雄というような作家たちを通俗作家として出発させ、円本が売れた。一つの画期をなした時代であったが、読者というものはあの頃、どんな角度で現れていたのだろう。大戦前後、先ず高まった一般の購買力のあらわれの一面と

1 / 0