おさいのないべんとう
書き出し
誰でもその口実をはっきり知っていた。——それは五月十六日の朝からなのだ。その前の日は、犬養総理大臣が白昼公然と官邸で射殺された。でかでかと新聞に書かれたこの大事件によって、少しは景気の盛りかえす世の中が来るかも知れないと漠然と思い、そのことについて大いに談じ合う予算で工場に駈けつけたのだが、職工達は「おっとどっこい」——と許り門のところで堰き止められた。見るとひどく栄養のいい憲兵が長いサーベルをガ…
ネギ一束
戦話
井戸の底に埃の溜つた話
245f21dfaaeaさんの感想
少し哀れ、少し滑稽、少し強靭、少し幸せ、少し悲しいです。