青空文庫

「春六題」の感想

春六題

はるろくだい

初出:「新文学」1921(大正10)年4月

寺田寅彦15
季節の移ろい学問的考察科学的手法分析的懐古軽妙

書き出し

一暦の上の季節はいつでも天文学者の計画したとおりに進行して行く。これは地球から見た時に太陽が天球のどこに来ているかという事を意味するだけの事であるから、太陽系に何か大きな質量の変化が起こるか、重力の方則が変わらない限り、予定のとおり進行してゆくはずである。近ごろ、アインシュタインの研究によってニュートンの力学が根底から打ちこわされた、というような話が世界じゅうで持てはやされている。これがこういう場

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