青空文庫

「丸善と三越」の感想

丸善と三越

まるぜんとみつこし

初出:「中央公論」1920(大正9)年6月

寺田寅彦40
作家の日常懐古郷愁回顧的静謐

書き出し

子供の時分から「丸善」という名前は一種特別な余韻をもって自分の耳に響いたものである。田舎の小都会の小さな書店には気のきいた洋書などはもとよりなかった、何か少し特別な書物でもほしいと言うと番頭はさっそく丸善へ注文してやりますと言った。中学時代の自分の頭には実際丸善というものに対する一種の憧憬のようなものが潜んでいたのである。注文してから書物が到着するまでの数日間は何事よりも重大な期待となんとも知らぬ

2024/04/24

19双之川喜41さんの感想

 「荒野(あらの)の家族」という 作品で 最近 芥川賞を 勝ち取った方は 丸善仙台店で 働いて おられるという。また「檸檬」という 有名な作品は 関西の 丸善が 舞台と なっている。富士山の見える 魚河岸の 南と 北に 丸善と 三越が 対峙しているのは まるで 精神と 肉体の 補給基地が 向き合っているかのようにも 見立てる ことも出来ると 感じた。

2016/05/21

ed17765af28dさんの感想

偶然に出会った作品。三越と丸善が輝いていた時代、東京が東京であった時代が偲ばれて興味深い。作者の洞察力の鋭さは時代を越えて今に届く

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