青空文庫

「竜舌蘭」の感想

竜舌蘭

りゅうぜつらん

初出:「ホトトギス」1905(明治38)年6月

寺田寅彦13
下町風土回顧的季節の移ろい郷愁叙情的懐古静謐

書き出し

一日じめじめと、人の心を腐らせた霧雨もやんだようで、静かな宵闇の重く湿った空に、どこかの汽笛が長い波線を引く。さっきまで「青葉茂れる桜井の」と繰り返していた隣のオルガンがやむと、まもなく門の鈴が鳴って軒の葉桜のしずくが風のないのにばらばらと落ちる。「初雷様だ、あすはお天気だよ」と勝手のほうでばあさんがひとり言を言う。地の底空の果てから聞こえて来るような重々しい響きが腹にこたえて、昼間読んだ悲惨な小

2023/08/28

0a2ce5f627cfさんの感想

子供のときに見た大人の侘びしげな表情というのは、稀に見るものではないから、よく記憶に残る気がする。リュウゼツランもまた同じくそうだから、連想させられることが多かったのだろうと思う。

2020/11/14

19双之川喜41さんの感想

 泊まり込みの 芸者まで呼んで 数日がかりで初節句の祝いをするというのは どこの風習だろう。 招待先には  庭に 池があり 鯉が時折水音をたてながら泳いていて  竜舌蘭が辺に咲いている。 折に触れて竜舌蘭を思い浮かべる。

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