青空文庫

「猿面冠者」の感想

猿面冠者

さるめんかんじゃ

初出:「鷭 第二輯」1934(昭和9)年7月

太宰38
作家の日常文学不信自己認識芸術論内省的分析的軽妙

書き出し

どんな小説を読ませても、はじめの二三行をはしり読みしたばかりで、もうその小説の楽屋裏を見抜いてしまったかのように、鼻で笑って巻を閉じる傲岸不遜の男がいた。ここに露西亜の詩人の言葉がある。「そもさん何者。されば、わずかにまねごと師。気にするがものもない幽霊か。ハロルドのマント羽織った莫斯科ッ子。他人の癖の飜案か。はやり言葉の辞書なのか。いやさて、もじり言葉の詩とでもいったところじゃないかよ」いずれそ

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