しろくれない
書き出し
残怨白紅花盛余多人切支丹寺「ふうん読めんなあ。これあ……まるで暗号じゃないかこれあ」私は苦笑した。二尺三寸ばかりの刀の中心に彫った文字を庭先の夕明りに透かしてみた。「銘は別に無いようだがこの文句は銘の代りでもなさそうだ。といって詩でもなし、和歌でもなし、漢文でもないし万葉仮名でもないようだ。何だい……これあ……」「へえ。それはこう読みますんだそうで……残る怨み、白くれないの花ざかり、あまたの人を切…
狐の手帳
菎蒻本
旗本退屈男