青空文庫

「近眼芸妓と迷宮事件」の感想

近眼芸妓と迷宮事件

きんがんげいしゃとめいきゅうじけん

夢野久作31
下町風土探偵小説歴史的背景分析的回顧的怪奇

書き出し

俺の刑事生活中の面白い体験を話せって云うのか。小説の材料にするから……ふうん。折角だが面白い話なんかないよ。ヒネクレた事件のアトをコツコツと探りまわるんだから碌な事はないんだ。何でも職務となるとねえ。下らないイヤな思い出ばっかりだよ。その下らないイヤな思い出が結構。在来の名探偵大成功式の話じゃシンミリしない。恐ろしく執念深いんだなあ。それじゃコンナのはどうだい。どうしても目星が附かないので警視庁の

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