青空文庫

「田舎教師」の感想

田舎教師

いなかきょうし

初出:「田舎教師」佐久良書房、1909(明治42)年10月

田山花袋426
下級官吏の描写恋愛観の相対化文壇交友自己認識叙情的回顧的静謐

書き出し

一四里の道は長かった。その間に青縞の市のたつ羽生の町があった。田圃にはげんげが咲き、豪家の垣からは八重桜が散りこぼれた。赤い蹴出しを出した田舎の姐さんがおりおり通った。羽生からは車に乗った。母親が徹夜して縫ってくれた木綿の三紋の羽織に新調のメリンスの兵児帯、車夫は色のあせた毛布を袴の上にかけて、梶棒を上げた。なんとなく胸がおどった。清三の前には、新しい生活がひろげられていた。どんな生活でも新しい生

2022/02/02

16b8d9178674さんの感想

面白いです

2021/10/06

19双之川喜41さんの感想

 教師は 文筆に関心がありながら やむなく教職につく。 町並みや 自然の巧みな描写が 詩情を誘う。 戦勝の 提灯行列のあと 志し半ばで 病死する。 花袋の作品の中では 完成度が高いと 思われる。

2020/09/16

86907b788e63さんの感想

悲しい、とても哀しい物語だった。貧しさ故に、希望どおりの人生を送れず、田舎教師としての短い一生を終える。淋し過ぎるよ…。

2020/07/01

2c4f69358a48さんの感想

ひどい寂寥感。明治の薄幸な青年の人生。少し救いを感じたのはしげ子の存在。嗚呼、南無阿弥陀仏

2019/10/28

add33c29dc4aさんの感想

これぞ青春のリアリズム。 理想を強くおもえば、現実はより色濃く映り、もがき苦しみ。されど、季節は、流るる。歴史はうつる。 光でなく影に焦点をあて、人間の本来を浮かび上がらすことに文学の可能性を見出すことに成功した原点の作品。 残された日記をヒントに書きあげたらしいが、日記そのものも非常に気になる。この日記自体文学的に優れたものに違いない。しかし、それは、リアルであり、リアリズムにあらず。リアリズムとしてより完成させる為に、作者は、情景描写にちからをくわえたのであろう。  その情景は、作者の産まれ育った故郷に近く、読み手に風土の風を感じさせるまでに、仕上げられている。 メッセージ性は、各読者に委ねられるわけだが、作者が主人公のモデルと出会った時の、感情は、等しく伝わるであろう。

2016/11/24

b9ef941530ccさんの感想

家庭の経済事情で小学校教員で暮らさねばならなかった清三は、かねてより高等師範へ行って中学校教員を志すが、健康に恵まれず、ただ、周囲の同級生の出世を聞いては憧れる。結局、日露戦争の勝報に浮かれる世情の最中友人家族に看取られて逝く。こんな教員は幾らでもいる。田山花袋の田舎教師は何を訴えたかったのか?

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