青空文庫

「仙人」の感想

仙人

せんにん

初出:1922(大正11)年

不条理古典の翻案奇人描写叙情的怪奇

書き出し

皆さん。私は今大阪にいます、ですから大阪の話をしましょう。昔、大阪の町へ奉公に来た男がありました。名は何と云ったかわかりません。ただ飯炊奉公に来た男ですから、権助とだけ伝わっています。権助は口入れ屋の暖簾をくぐると、煙管を啣えていた番頭に、こう口の世話を頼みました。「番頭さん。私は仙人になりたいのだから、そう云う所へ住みこませて下さい。」番頭は呆気にとられたように、しばらくは口も利かずにいました。

2025/07/28

1272cbf85148さんの感想

権助は、書いてあることを文字通りに読み、人が話したことをそのままの意味で受け取り、それを信じて疑わない。 仙人になりたいと願い、仙人になれると信じている。 あまりに真っ直ぐで、今でいうとちょっと発達障害みたいなところがあったのかな?と思ってしまうけど、私は彼がもとから仙人だったのではないだろうかと感じた。 とにもかくにも、権助の願いが叶ってよかったなあ。

2023/03/03

白川千秋さんの感想

最後は、ドギツイ描写を避けて省略することでかえって人間の残酷さを示しているような気が。 人間というより地域性の問題か? 特に西洋医療は、自分ではない他の人間の死苦に対する試行錯誤の蓄積で成り立つような商売だしね。 寒山拾得のブカンさんのようにはいかない。 元は、えらい人の毒味役で自ら人体実験台だったような話もなかったっけ?

2021/03/06

19双之川喜41さんの感想

 ブラック医者のはしりです。 なんせ 二十年間 無報酬で仙人志望の純朴な権助を 酷使したのですから。 耐えた権助は 偉い。 淀屋辰五郎の名は 何しに出てきたのかなと思った。

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