しんちゃ
書き出し
それほど茶好きでなくとも、新茶には心ひかれる。あの年寄りじみた、きつい苦みがないし、晴々しい匂ひがするし、茶といふよりも、若葉の雫を啜るといふ感じである。色がいゝ。白磁の茶椀の半を満してゆらめく青湖の水。さなりき、誘ふニンフも誘はるゝ男妖精も共に髪ぞ青かりし揺曳とした湯気の隙間から、茶椀の岸にさういふ美麗が見えるやうな気がする。その茶椀を掌に享けて一口、二口、唇に触れては庭を眺める。実を付けた若楓…
闇の書
長塚節歌集
なまけ者と雨
682b0d62cb28さんの感想
新茶の一つで上田秋成まで引用できる博覧強記振り。文学者の凄みを感じます
1dbde5ace62dさんの感想
青湖の水。