青空文庫

「殺人の涯」の感想

殺人の涯

さつじんのはて

初出:「読書趣味」1933(昭和8)年10月創刊号

内省探偵小説科学的手法精神疾患不条理怪奇緊張

書き出し

「とうとう女房を殺してしまった」私は尚も液体を掻き廻しながら、独り言を云った。大きな金属製の桶に、その白い液体が入っていた。桶の下は電熱で温められている。ちょっとでも、手を憩める遑はない。白い液体は絶えずグルグルと渦を巻いて掻き廻わされていなければならない。液体は白くなって来たが、もっともっと白くならなければならないのだ。まだまだ掻き廻わし方が足りないのに違いない。私は落ちかかる白い実験衣の袖を、

2017/04/19

3e014bc27a30さんの感想

女房の屍体を懸命に溶かす男。隠蔽せねばと行動するも、殺すつもりはなかった!と結局自白(自爆)してしまうのは罪を裁かれたいからか?ふと気づくと隣には女房が居て、笑っている。ああ自分は殺しては居なかった?いや殺した女房の隣に自分が居るのだ、それは即ち。 台詞で始まる展開といいオチの二段構えといい推理小説という系統もあいまってか昭和初期ともなると大分現代的に感じられた。著者が日本SFの始祖とは知らなかったが謎を追求するという点でSFと推理小説は一致する。

2016/09/20

ひずみんさんの感想

女は怖いね。自分を殺した夫の罪を、白日のもとに晒さないではいられないもの。

2016/05/22

芦屋のまーちゃんさんの感想

女房を殺して、死刑になって、あの世で再会して、女房は生きてたと誤解し、女房からあなたも死んだのよ、ホホホホホと笑われ、恐怖におののく夢の話。

2016/05/07

イリュージョン亭チェリスさんの感想

女房殺しの男が、女房と並んで歩いている。そこは一体どこか?

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