青空文庫

「ピアノ」の感想

ピアノ

ピアノ

初出:「新小説」1925(大正14)年5月

怪奇死の受容震災懐古静謐

書き出し

或雨のふる秋の日、わたしは或人を訪ねる為に横浜の山手を歩いて行つた。この辺の荒廃は震災当時と殆ど変つてゐなかつた。若し少しでも変つてゐるとすれば、それは一面にスレヱトの屋根や煉瓦の壁の落ち重なつた中に藜の伸びてゐるだけだつた。現に或家の崩れた跡には蓋をあけた弓なりのピアノさへ、半ば壁にひしがれたまゝ、つややかに鍵盤を濡らしてゐた。のみならず大小さまざまの譜本もかすかに色づいた藜の中に桃色、水色、薄

2025/03/03

時間旅行者さんの感想

怪談話しのようだけど 自分には幻想的でもの哀しい話しだった   滅びゆくもの、去りゆくものの美しさ、と

2024/12/12

9b1b075a6744さんの感想

何度読み返しても面白い。主人公以外にも不思議、不気味に感じた人がいるんだろうな。

2022/10/15

鍋焼きうどんさんの感想

ピアノの本分は音を出し、曲を奏でること。ピアノは誰かに弾いてもらいたくて通行人に声を掛けているのだろう。

2021/01/08

19双之川喜41さんの感想

 「蓋を開けた弓なりのピアノ」 グランドか スタンドかは わかりませんけど あかざ(藜)のなかに残されている。 幻聴が聞こえても 不思議はないでしょう。

2016/02/28

a98a2cd23bf1さんの感想

最後、ほわっと温かいものを感じた。『蜜柑』を読んだときの気持ちを 思い出しました。

2016/02/21

ななこさんの感想

意外と怖がりなんだなと、作者の事を思った。

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