青空文庫

「三つのなぜ」の感想

三つのなぜ

みっつのなぜ

初出:「サンデー毎日 第六年第十五号」1927(昭和2)年4月1日

内省古典の翻案知性と感性の対立虚構と真実分析的懐古静謐

書き出し

一なぜファウストは悪魔に出会ったか?ファウストは神に仕えていた。従って林檎はこういう彼にはいつも「智慧の果」それ自身だった。彼は林檎を見る度に地上楽園を思い出したり、アダムやイヴを思い出したりしていた。しかし或雪上りの午後、ファウストは林檎を見ているうちに一枚の油画を思い出した。それはどこかの大伽藍にあった、色彩の水々しい油画だった。従って林檎はこの時以来、彼には昔の「智慧の果」の外にも近代の「静

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