青空文庫

「庭」の感想

にわ

初出:「中央公論」1922(大正11)年7月

家族不和文明開化死の受容憂鬱静謐

書き出し

上それはこの宿の本陣に当る、中村と云ふ旧家の庭だつた。庭は御維新後十年ばかりの間は、どうにか旧態を保つてゐた。瓢箪なりの池も澄んでゐれば、築山の松の枝もしだれてゐた。栖鶴軒、洗心亭、——さう云ふ四阿も残つてゐた。池の窮まる裏山の崖には、白々と滝も落ち続けてゐた。和の宮様御下向の時、名を賜はつたと云ふ石燈籠も、やはり年々に拡がり勝ちな山吹の中に立つてゐた。しかしその何処かにある荒廃の感じは隠せなかつ

2019/10/30

19双之川喜41さんの感想

 名だたる庭師の 作庭による 庭が 長い年月をへて 停車場になるまでの 紆余曲折が 描かれている。 圧巻は 植え込んだ庭木を 斬り倒し 意味なく 掘ったり 埋め戻したりする 認知症の当主の 奇行であると感じた。

2016/08/20

27a822197c91さんの感想

わびさびというか、せつなさというか、あっけなさというか。

2015/12/15

b6226aa70d42さんの感想

凄い作品だ。

2015/09/30

ジローさんの感想

維新後、没落していく或る旧家の日常の移り変わりを、庭を中心に据えた視線で描いた作品。父から長男、さらに次男へと家督は移ってゆき滅亡に邁進して行くが放蕩者の次男はある日ふとした夢をいだく。 美を追求する様ははかなくも一縷の希望を見せて読後感は爽やか。 なお、冒頭のあたりに登場する井月という俳人は、つげ義春が漫画で詳しく描いている。

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