すぎやまほうえん
白髪小僧
しらがこぞう
初出:「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月
街頭から見た新東京の裏面
がいとうからみたしんとうきょうのりめん
初出:「九州日報」1924(大正13)年10~12月
ハルチロさんの感想
本著者の別作品「東京人の堕落時代」を読了後、本作品に触れました。大正時代末期の大震災下の帝都“東京”の風俗を知るのに、非常に参考になるのが、本作品であると言えましょう。トップダウンの明るく、健全な風俗調査報告よりも、本作品のようにボトムアップによる、裏路地調査風の作品の方が、社会の根幹、人間の実生活を知ることが出来るのではないかと思われます。
東京人の堕落時代
とうきょうじんのだらくじだい
初出:「九州日報」1925(大正14)年1~5月
本作品は、南関東大地震(関東大震災)後に噴出した人間の本質的暗部を取材し、綴ったものである。未曾有の災害により衣食住を不自由し、人たるに値する文化的生活に窮すると、生存本能のままに行動することを記している。まさに「衣食足りて礼節を知る」ということを現実視していると言える。本作品で紹介されている現象は、人間の本質・本能が遺伝子レベルで変わらない限り、大規模惨事を経た場合には起こりうると思う。本作品は、その時に際して、自身を省みるべき警鐘とも捉えられる。 また、本作品は、モダニズムや民主化が脚光を浴び、“陽”の部分が注目される大正時代を、大震災後の“陰”の部分から探求し、日本人の精神の凋落を暗示しているところが面白いです。
黒白ストーリー
こくびゃくストーリー
初出:「黒白」1925(大正14)年5月号~9月号
ひまわりさんの感想
読みやすい短編集(って言っていいのかな?) タイトルの「黒白」の通り、対比がテーマになっている。それぞれの話に○○と△△っていうタイトルが付けられるから、読了後は是非自分が感じた対照的な2つの単語をあてはめて自分なりのタイトルを考えてみると良い。
梅津只円翁伝
うめづしえんおうでん
初出:「福岡日日新聞」1934(昭和9)年4月14日~5月31日