青空文庫

「悪の帝王」の感想

悪の帝王

あくのていおう

05 第5話 クレオパトラの衣装

05 だいごわ クレオパトラのいしょう

初出:1897年

書き出し

第一章「女王だったらなあ」とコーラ・コベントリがのたまった。唯一の聞き手の男がほほ笑んだ。コーラの滑やかな腕の所に笠ランプがあり、赤い絹笠が男の胸を斜めに照らし、血のように染めた。部屋はと言えば、華麗な冥界のようで、目立つというより洗練されている。コーラ・コベントリは魅惑的な謎に満ちている。少なくとも魅力はド派手な格好のせいじゃない。たぶん、しっとり濡れた黒い瞳のなせるわざだろうが、出生地は口をは

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