青空文庫

「御霊うぶや」の感想

御霊うぶや

みたまうぶや

初出:「新小説 第十一年第三巻」春陽堂、1906(明治39)年3月1日

書き出し

うごめくはこれ何者ぞ、牢獄に等しき闇を——ひとつかとまなこ据うれば、その数は増して行くなり、まとへるぞみな墨ごろも——黒法師——無為の行列。暗きより暗きに入りて、かへり見る光だになし。わが霊のなやむ産屋か。相向ふかゞみの法師、相映り、幾多生まるゝ代のかげの並ぶその脊よ。その脊をばいくつ越ゆとも、この無言、つひに死ぞなき。底本:「日本の詩歌26近代詩集」中央公論社1970(昭和45)年4月15日初版

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