ねこ
書き出し
新秋の氣もちいゝ風が簾を透して吹く、それが呼吸氣管に吸ひ込まれて、酸素が血になり、動脈が調子よく搏つ………その氣が味はへない。澄んだ空の月を寢ながら眺める、人いきれから逃れた郊外の樂みは、こゝに止めを刺す……それが觀られない。空氣も流通しないほど、ピシヤリと障子を建てゝ蒸されてゐる、息がつまる。それは猫のため、兒猫のため、五寸にたらぬ小さな猫一匹で、五尺に近い體を持てあます。苦しい。また來た、かあ…
阿波のケンさん36さんの感想
女性と猫との日常の小さな出来事。
b8777f6c9c1eさんの感想
好きだけど飼えない、という未練を引きずるのは大変だ。