青空文庫

「象を撃つ」の感想

象を撃つ

ぞうをうつ

書き出し

下ビルマのモールメンにいた頃、私は大勢の人たちから憎まれていた——生涯でただ一度、憎悪に足るだけの要職に就くことになったわけだ。町の分署の警官だった私に、無目的で狭量な反欧州的感情はひどく辛かった。彼らに暴動を起こすまでの根性はなかったが、ヨーロッパ人女性が一人でバザールを通りがかろうものなら、たぶんドレスに蒟醤(*1)を噛んだ唾を吐きかけられることになっただろう。警官たる私は明白なターゲットで、

1 / 0