青空文庫

「田端に居た頃」の感想

田端に居た頃

たばたにいたころ

(室生犀星のこと)

(むろおさいせいのこと)

初出:「驢馬 第二號」1926(大正15)年5月号

書き出し

鎌倉へうつつてからは、毎日浪の音をきくばかりでさむしい。訪問者も絶えて無いので何だか昔の厭人病者の物わびしい遁世生活を思ひます。西行といふ昔の詩人は、特別にかういふ生活の情趣を好んだらしい。「鴫立つ澤の秋の夕ぐれ」などといふ歌をよむと、昔の厭世主義者の詩境がよくわかる。しかしあれは茶の湯や禪味と關聯した「侘しさ」のあはれであつて、現代人たる僕等の氣分とはぴつたりしない。近代の厭人病者は、むしろ都會

2020/04/14

いちにいさんの感想

朔太郎は文章が上手だ。読みやすい。下手な小説家より全く小説家だ。彼は。犀星のことを語る口調も評論家の執筆よりも的を得ている。

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