青空文庫

「秋の岐蘇路」の感想

秋の岐蘇路

あきのきそじ

初出:「文藝倶樂部 定期増刊 月と露」1903(明治36)年10月

田山花袋34

書き出し

一大井、中津川の諸驛を過ぎて、次第に木曾の翠微に近けるは、九月も早盡きんとして、秋風客衣に遍ねく、虫聲路傍に喞々たるの頃なりき。あゝわが吟懷、いかに久しくこの木曾の溪山に向ひて馳せたりけむ。名所圖繪を繙きて、幼き心に天下またこの好山水ありやと夢みしは昔、長じて人の其山水を記せるの文を讀み、客の其勝を説くを聞くに及びて、興湧き胸躍りて、殆どそを禁むるに由なかりき。さればわが昨日遙かに御嶽の秀絶なる姿

2025/07/14

艚埜臚羇1941さんの感想

  謂うところの 岐蘇路は 今でこそ 歩きやすく 整備 されているけど 当時は 道幅は せばまり 道の 痕跡 さえ さだかならぬは 常で あったときく。それでも 夏には 盆踊りの 輪が 幾重にも 出来上がり 近在から 押し寄せて来る 人波で みちを 賑わしている ことも あったり したようだ。今日の 邦人ならぬ 人びとの 訪れが 取って代わり そうぞうも つかない 人出には ただただ 驚嘆している。地球の いたるところから かの 路を 目指して 紅毛人などが 歩を 運ぶ という。この 盛況を 予想した 人たちは あまり いなかった かもしれないと 想った。

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