ほくえつせっぷ
08 解説
08 かいせつ
初出:「北越雪譜」岩波文庫、岩波書店、1936(昭和11)年1月10日第1刷
書き出し
鈴木牧之翁略伝本書の著作者鈴木牧之翁は、明和七年正月七日に、越後の国の塩沢に生れた、塩沢は今日の新潟県南魚沼郡塩沢町である、幼時は弥太郎と云つたが、大きくなつてから、儀三治と改めた、翁の父は、質屋と縮布の仲買を営んでゐた、さうして渡世の傍に、俳諧に遊び、周月庵牧水と号してゐた、翁の牧之と云ふ号は、父の牧水の一字を採つたのである、牧之翁は幼時から英敏であつた、大運寺の快運法師に師事して経書を学び、詩…