青空文庫

「ロマンチツクな絵本」の感想

ロマンチツクな絵本

ロマンチックなえほん

初出:「文藝春秋 第10巻1号」1932(昭和7)年1月

書き出し

黒いトカゲ弱い外光の中、舟底椅子にもたれてウトウトと昼寝をしたのだがさめた。ぼんやりした日の中に、黄色いアトリエの壁が見える。アカシヤの影像が、ぼんやりとうつる。小さい小さい姫蔦が、あちらこちらのびて、一つの波紋を作つて居る様だ。チヨロチヨロと赤いトカゲが出て来た。チヨロチヨロと黒いトカゲが出て来た。にらみ合つた二匹のトカゲ一緒になつて遊び出した。黒いトカゲが先に赤いトカゲが後に、二匹とも揃つて蔦

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