青空文庫

「素人図書館人の手記」の感想

素人図書館人の手記

しろうととしょかんじんのしゅき

初出:「文藝春秋 昭和二十五年九月號」1950(昭和25)年9月1日

書き出し

生れるときに自分の將來の仕事を考えるものは無いが、それでも若いときから一生の目的を考えるものだ。ところが私は若いときはもとよりのこと、中年になつても老年になつても夢にも思わなかつた圖書館人と言うものに六十歳を超えてからなつた。業平朝臣の言いぐさではないが「忘れては夢かとぞ思う思いきや」であり雪は踏みわけないが毎日圖書館を見て喜び眺めているのだ。私の管理している圖書館は舊赤坂離宮である。玄關を入つて

1 / 0