青空文庫

「犬酸漿」の感想

犬酸漿

いぬほおずき

書き出し

「されど、畢竟沈黙より貴きものなし。」——カリュドンのアタランタ(*1)第一章先日さる方から戴いた贈り物に、深紅のバラと紫のイヌホオズキを一つの花束として結んであった。バラとイヌホオズキ!この組み合わせは一編の詩の種たりうる!誰が見てもバラは愛の表象であり、イヌホオズキは静寂を象徴するからだ。私は小さな花瓶に水を張り花束を生けた。夜、床に入ると、頭の中一杯にそこはかとない韻文や、巣立ち前の着想が満

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