きゅうゆうのし
書き出し
志田文雄去月二十七日の朝六時頃、僕は夢を見た。広い原にぼんやり佇んでゐると、向ふから一群の中学生が四列縦隊で元気よく進んで来る、先頭に立つて何か旗やうなものを捧げてゐるのが、紛ふ方なき旧友志田文雄なのだ。稍反り身になつて、白い布を肩から斜に懸けてゐた。彼の歩調は如何にも活溌だつたが、近づいて来るに従つて、その衰へ果てた蒼白の顔色に、僕ははつと驚いて、叫んだ。「文雄さん、そんなに歩いていいのか。」文…