青空文庫

「道化者」の感想

道化者

どうけもの

書き出し

いっさいの結末として、かつ立派な大詰として、いや、あのことの全体として、今残っているものは、生活——おれの生活——が「そのいっさい」、「その全体」がおれの心に注ぎ込む、あの嫌厭ばかりである。おれを絞めつけおれを駆り立て、おれをゆすぶってはまた投げ倒す、あの嫌厭である。おれにこのばかげたくだらない用向きを、残らずさっさと片づけて、逃げ出してしまうだけの動力を、おそらく早晩与えてくれる、あの嫌厭である

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