青空文庫

「幸福への意志」の感想

幸福への意志

こうふくへのいし

書き出し

老ホフマンはその金を、南アメリカの耕地の持主として、儲けたのであった。彼地で家柄のよい土着の娘と結婚してから、まもなく妻を連れて、故郷の北ドイツへ引き移った。二人は僕の生れた町で暮していた。ホフマンのほかの家族たちも、そこに住みついていたのである。パオロはこの町で生れた。その両親を僕は、しかしあまりよく知らなかった。が、ともかくパオロはお母さんに生き写しだった。僕がパオロをはじめて見た時、つまり両

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