青空文庫

「霾」の感想

ばい

初出:霾「作品 三卷一號」1932(昭和7)年1月

三好達治15

書き出し

霾冬の初めの霽れた空に、淺間山が肩を搖すつて哄笑する、ロンロンロン・※ッハッハ・※ッハッハ。「俺はしばらく退屈してゐたんだぞ!」そしてひとりで自棄にふざけて、麓の村に石を投げる、氣流に灰を撒き散らす。山端に出た一人の獵師は、(彼の犬は平氣でさつさと先を急いでゐる)ちやうど彼のふり反つた鼻の先の、落葉松に話しかける。「やつたぜ、また」高原を走る小さな電車は、折から停車場に尻ごみして、がたがたとポオル

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