青空文庫

「南窗集」の感想

南窗集

なんそうしゅう

初出:友を喪ふ 四章「文藝春秋」1932(昭和7)年5月

書き出し

鴉靜かな村の街道を筧が横に越えてゐるそれに一羽の鴉がとまつて木洩れ陽の中に空を仰ぎ地を眺め私がその下を通るときある微妙な均衡の上に翼を※めて秤のやうに搖れてゐた湯沸したぎり初めた湯沸し……それはお晝休みの小學校の校庭だ藤棚がある池がある僕らはそこでじやんけんする僕は走る僕は走る……かうして肱をついたまま夜の中にたぎり初めた湯沸し……靜夜柱時計のチクタクああ時間の燕らが山を越える海を越える何といふ靜

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