青空文庫

「短歌集 日まはり」の感想

短歌集 日まはり

たんかしゅうひまわり

初出:やま鳥「苑 三號」1934(昭和9)年7月

三好達治17

書き出し

短歌集日まはりわが跫音路をうつわが杖の音われは聴くわが生の音づれ日まはりや床屋しづけき菜園にやま鳥草生ふる電車線路をあしびきのやま鳥はつと走り越えにき白骨温泉にてうら山に銃の音せり時をへずまたも音せり鶫落ちけむ日のあたる石垣の裾の鷄らたちて歩めり一羽のこれる落葉松の林に入りぬ繍眼兒らはわれをさけつつ枝うつりするもろもろの想ひのはてよ落葉松のしづ枝にたちて松の香をかぐこれやこのさやかに胸にしのびいる

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