青空文庫

「閒花集」の感想

閒花集

かんかしゅう

初出:漁家「三田文學 八卷四號」1933(昭和8)年4月

三好達治14

書き出し

この小詩集を梶井基次郎君の墓前に捧ぐ砂上海海よお前を私の思ひ出と呼ばう私の思ひ出よお前の渚に私は砂の上に臥よう海鹹からい水……水の音よお前は遠くからやつてくる私の思ひ出の縁飾り波よ鹹からい水の起き伏しよさうして渚を噛むがいいさうして渚を走るがいいお前の飛沫で私の睫を濡らすがいい鶯「籠の中にも季節は移る私は歌ふ私は歌ふ私は憐れな楚囚この虜はれが私の歌をこんなにも美しいものにする私は歌ふ私は歌ふやがて

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