青空文庫

「留魂録」の感想

留魂録

りゅうこんろく

吉田松陰15

書き出し

身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留め置かまし大和魂十月念五日二十一回猛士一、余、去年已来心蹟百変、あげて数へがたし。なかんづく、趙の貫高を希ひ、楚の屈平を仰ぐ、諸知友の知るところなり。ゆゑに子遠が送別の句に「燕趙の多士一の貫高。荊楚深く憂ふるは只屈平」といふもこのことなり。しかるに五月十一日関東の行を聞きしよりは、また一の誠字に工夫をつけたり。ときに子遠、死字を贈る。余これを用ひず、一白綿布を求め

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