青空文庫

「不器男句集」の感想

不器男句集

ふきおくしゅう

02 不器男句集

02 ふきおくしゅう

不器男10

書き出し

序芝不器男君は、俳壇に流星のごとく現はれて流星のごとくに去つた、若き熱情の作家である。が君の熱情は、登山家としての魁偉なる風※に、つねに沈黙と微笑とをうち湛へた湖のしづけさを思はしめた。だからその作品の表現も、うち湛へた湖から白鳥の飛翔したやうな、静寂な気韻が伝はらないものは、君の満足するものではなかつた。この心境は、君のあるいて行つた人生のすべてに於てもさういへるであらう。君は仙台の東北大学工科

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