青空文庫

「小島の春」の感想

小島の春

こじまのはる

02 序

02 じょ

書き出し

トラツクのふちにつかまりすすり上げすすり上げ泣く四十の男これやこの夫と妻子の一生の別れかと想へば我も泣かるる夫と妻が親とその子が生き別る悲しき病世に無からしめ一等国中の一等国である日本には、まだ癩の患者が至るところに、医療の手当にも恵まれずに散らかっている。欧米各国では患者の全部が隔離され収容され、それぞれに手当をうけて余生を送っている。そうした患者が相ついで天命を終った時に、その国には癩が絶滅さ

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