青空文庫

「茸をたずねる」の感想

茸をたずねる

たけをたずねる

飯田蛇笏19

書き出し

秋が来る。山風が吹き颪す。欅や榎の葉が虚空へ群がってとびちる。谷川の水が澄みきって落栗が明らかに転びつつ流れてゆく。そうすると毎年私の好奇心が彼の大空へ連なり聳えた山々のふところへ深くもひきつけられる。というのは其の連山のふところにはさまざまの茸が生えていて私の訪うのを待っていて呉れる。この茸は全く人間味を離れて自然の純真な心持を伝え、訪問者をして何時の間にか仙人化してしまう。その仙人化されてゆく

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