青空文庫

「サガニー耕地より」の感想

サガニー耕地より

サガニーこうちより

初出:「文章世界 第12巻第4号」1917(大正6)年4月1日

書き出し

二月半ばのそら、酒室の呼吸を罩めて、風、あまし、温かし円ろかなるこの穹き懐ろに、音もなく彩雲ぞ、さすらふなる。機おる遠き麓のむら村、ゆるくゆるく、筏の昔幽かに声音なし、幻の静けさに、たえなる夢を織れるか、雲にそゝぎ入る恍惚、炊ぐ煙りの直しき細流、君よとく、来らずや、この身さみし。水豊かに遠く連りて、田を限る畔、唯見る目覚む一色に、何をするぞ無言の二人、さても黙然とうづくまりて、青光の鎌の刃にさくさ

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