かたむけるでんどう
初出:「文章世界」1917(大正6)年
書き出し
——一切の世界進行を、「自己運動」に於て、自発的発展に於て、生ける実在に於てあるものとして把握する認識の条件は、それらの対立の認識これである。……発展は対立の闘争である——レーニンかつて世が苦悩を塗り罩めた時偉大なる殿堂は輝いてゐた。勝利の山に燦然と晴朗の日月を飾帯し円満具足の己れを持した青い時から、青い時まで最上善の指標をつとめた。所謂衆生は秘かに汗ばみ所謂庶民は僅かに息吐き所謂人類は爪尖たてゝ…