青空文庫

「巽軒先生喜寿の祝辞」の感想

巽軒先生喜寿の祝辞

そんけんせんせいきじゅのしゅくじ

初出:「井上先生喜壽記念文集」冨山房、1931(昭和6)年12月15日

書き出し

私はまだ郷の中學に居た頃に、始めて先生の「心理新説」を讀んだ。其れは木版で印刷された單簡な二册ものであつた。又た殆んど同時に、「西洋哲學史講義」も讀んだ。其れも木版二册もの先生の洋行前の著述で、最後に此の講義の續きは三宅雄次郎君に托して外遊するとのことが記してあつたと記憶する。當時私は乳臭で、とても會得が出來たことではなかつたが、それでも幾分哲學上の術語に接し、ターレスやピタゴラスなど、西洋哲學者

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